【筋トレ後のプロテイン】たんぱく質摂取量の常識が崩壊??「20g→〇g」

サプリメント 栄養管理

この記事はこんな方におススメ

  • 筋トレ後のプロテイン摂取量を知りたい
  • 筋トレの効果を最大化したい

この記事は筋生理学修了、筋トレ歴5年の筆者が自らの経験と科学的根拠をもとに執筆しています。

はじめに

プロテインは効率的な体づくりに必要なサプリメントです。筋肉を構成するたんぱく質を多量に含んでおり、筋トレ後に飲むことで効率的に筋肉を大きくすることができます。(※最近は筋トレ前にも飲むことが推奨されてきていますが、今回は筋トレ後にフォーカスします)

そんなプロテインですが、裏面に書いてある「お召し上がり方」が体づくりにおいて必ずしも最適ではないかもしれないのです。その理由は一食当たりのたんぱく質量が不足している可能性があるからです。大体のメーカーが一食で15g~20gほどのたんぱく質を確保できるように設定していますが、近年の研究では20gでも足りないことが示唆されています。

今回は「筋肉を効率的に大きくするためには、筋トレ後のプロテインをどれくらいの量をとればいいのか」考察していきたいと思います。

たんぱく質摂取量と筋肥大の関係

20gより40gの方がMPSが大きい

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初めにMPSについて説明いたします。MPS(muscle protein synthesis:筋たんぱく質合成)とは、ざっくりと言うと筋肉が大きくなろうとする体内での反応です。ですので筋肉が大きくしたいならば、このMPSができるだけたくさん起きるようにすればいいということになります。

ではどんな時にMPSが増えるのでしょうか??2パターンあります。

筋トレ
1つは筋トレです。
筋トレ後にこのMPSが増加することがわかっています。
筋トレによるストレスで体が「強くならなくては…!」と反応しているイメージです。
栄養摂取
そしてもう1つは栄養です。
筋トレ後にMPSが増加しているタイミングで筋肉の材料となるたんぱく質を摂取するとどうなるかというと…
更にMPSが増加して筋肉が大きくなります。

考えてみると、良く動いてよく食べれば筋肉がつくのは当然ですが、その根本にはこのMPSがあるということです。MPSの説明は以上です。

さてここからが本題ですが…

筋トレ後にどれだけのたんぱく質を摂取すればこのMPSが高まるのでしょうか?

その答えとなりうるのが2016年に行われたとある研究(1)です。この研究では被験者のたんぱく質摂取量が20gの場合と40gの場合でのMPS量を比較しています。その結果、40gを摂取したグループの方がMPSが高かったのです。

これを素直に解釈すると筋トレ後には40gのたんぱく質を摂取したほうがより筋肉を大きく出来ることになります。

従来は20g以上の摂取は無駄とされていた

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一方で筋生理学に精通した方はここで「待った!」をかけるかもしれません。筋生理学界では「マッスルフル」という概念があります。

マッスルフル
たんぱく質は一定の摂取量を過ぎてからは、MPSの増加が頭打ちになる現象。一般的に20gを超えるとそこから先は筋肥大に意味がなくなるとされていた。

つまり20g以上の摂取は筋肥大に意味がないという考え方があるのです。

その概念の根拠として有名な研究がMooreらによる2009年の研究(2)です。先述の研究と同じく筋トレ後のたんぱく質摂取量毎にMPSを調べています。こちらはもう少し小刻みに比較しており、0g,5g,10g,20g,40gのMPSを計測しています。その結果20gと40gに有意な差はみられなかったのです。

この研究結果を考慮すると、確かに40gもとる必要はないように思えます。では結局20gと40gのどちらを信じればよいのでしょうか??また、そもそも論としてなぜ研究結果にこのような相違が生まれたのでしょう?

トレーニング量に応じてMPS増加の飽和点は変化しそう

この疑問点について、(1)の研究では次のような考察がされていました。

The reason our results and previous results (Moore et al. 2009; Witard et al. 2014) do not agree cannot be determined with absolute certainty, but methodological differences exist between studies that may offer some explanation. We believe the most likely explanation for the difference in response of MPS to resistance exercise and protein ingestion is the amount of muscle activated during the exercise bout.

 Lindsay S.Macnaughton, et al.(2016). The response of muscle protein synthesis following whole-body resistance exercise is greater following 40 g than 20 g of ingested whey protein. Physiol Rep,Aug; 4(15). e12893 Page9

要約するとこうです。

  • 研究間で結果の不一致が生まれた明確な理由はわからない
  • しかしおそらくは運動中の筋活動量の違いが関係している

つまり研究間でトレーニング内容が違うことが関係しているのではという推測です。実際に両研究のトレーニング内容を比べてみると、

(1)の研究は体全体のトレーニングをしているのに対し、(2)のMooreらの研究はしかトレーニングしていません。

体全体を鍛える

それだけ求められるたんぱく質量も増える

MPSの上限が高くなる

こういった理屈だそうです。私もこの考えには賛同しています。

なぜなら体づくりのプロであるボディビルダー達が明らかに一度に20g以上のたんぱく質を摂取し、それで結果を残しているという事実があるからです。

例の1つとして、ボディビルダーの山本義徳氏もこちらの動画で一度に40gのたんぱく質を摂取するとおっしゃっています。

www.youtube.com

研究結果や現場の意見を総合的に判断すると、筋トレの効果を確実に最大化するためには40g摂取したほうが無難かと思われます。

まとめ

  • 確実に筋トレ効果を最大化するなら40gを摂取したほうが良さそう
  • ごく少な目の筋トレならば20gでも十分かもしれない

参考文献
(1)Lindsay S.Macnaughton, et al.(2016)The response of muscle protein synthesis following whole-body resistance exercise is greater following 40 g than 20 g of ingested whey protein
(2)Moore DR, et al.(2009)Ingested protein dose response of muscle and albumin protein synthesis after resistance exercise in young men
(3)山本義徳 著、「アスリートのための最新栄養学(上) ~三大栄養素編」、NextPublishing Authors Press、2017年